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十二月例会のご案内

今、時代が、そして教育政策が大きく変わろうとしています。そうした状況に流されることなく、常に変わらない人間と教育の本質をふまえて、教育活動をしていきましょう。

今年最後の例会になります。

4つの報告と討議があります。

1つめは“働く人への聞き書き”の実践で、神奈川の冨田さんの報告です。昨年高1から始めて今年高2になった生徒たちへの2年目の実践です。

2つめは、田中由美子さんが鶏鳴学園の中学生クラスで指導した生徒作品を検討します。

3つめは、札幌市の新たな中高一貫校設立に尽力していた小泉さんの報告です。どんな学校ができるでしょうか。

4つめは、歴史教育に学ぶと題して、『記憶と認識の中のアジア・太平洋戦争』の一部を読み合います。改めて戦争体験を聞き書きすることの意味を実践史的視点から考えてみます。

どうぞ、みなさん、おいでください。

 

1 期 日    2016年12月4日()10:00~16:30


2 会 場   鶏鳴学園
〒113-0034  東京都文京区湯島1-3-6 Uビル7F
ホームページ  http://www.keimei-kokugo.net/
※鶏鳴学園の地図はホームページをご覧ください。

 

3 報告の内容

(1) “働く人への聞き書き”の実践
神奈川 県立上溝南高校  冨田 明  

1学年時に国語総合で“青春時代~できたら戦争体験”の聞き書きをし、総合で”働く人へのインタビュー”のグループ学習と発表をした学年。今年は“働く人への聞き書き”を現代文B夏の課題に出しました。その中から、2~3人の作品を読んでいき、成果や課題を出していただければと思います。

(2) ショートレポート 課題と生徒作品 

それぞれの先生方の教育現場には、その現場での課題があり、それに取り組みながら少しでも生徒たちのためになるように苦闘を続けていると思います。そこから生まれた生徒作品から、読み取りに困惑したり、その課題をどう考えどう指導したらよいかわからないような作文を持ち寄り、意見交換をして互いの実践を深めていきたいと思います。

今回は前回の報告に引き続き、田中由美子さんが鶏鳴学園の中学生クラスで指導した生徒作品を検討します。

(3) 市立札幌開成中等教育学校の挑戦ー課題探究的な学習の推進とその方策の検討
北海道 札幌開成中等教育学校 小泉泰之

札幌市教育委員会の高校改革のひとつとして既存の高等学校を再編する形で作られた中高一貫校の教育内容に関し「生徒自らが主体的に学ぶ課題探究的な学習の推進」「大学受験準備に偏した編成をしない教育課程」を柱とした学校づくりについて、現場教員及び教育委員会職員とそれぞれの立場での取組と、現在進行形で構築している新しい学校の教育課程編成の具体を紹介します。

(4) 歴史教育に学ぶ
東京 宮尾美徳・志波昌明

教師自身の戦争責任、戦後責任って何?それってその後の教育にどう影響したの?戦争体験を語り伝える根源的な意義って何?改めて戦争体験を聞き書きすることの意味を実践史的視点から考えてみましょう。

〈テキスト〉
「歴史教育の中のアジア・太平洋戦争―戦争体験を綴ることの意味(著者 今野日出晴)」
(出典『記憶と認識の中のアジア・太平洋戦争』2015年 岩波書店)

(もくじ)
はじめに
一 「戦争教育」記録運動―地下水としての北方性教育
1 『山形の教育―学校白書と戦争教育の記録』
2 『教育北方―学校白書と戦争教育の記録』
3 「戦争教育の記録」を綴ることの意味
二 教室の中の「戦争体験」から地域の中の「戦争体験」へ
1 「母の歴史」と「私たちの歴史」、そして「父母の歴史」
2 地域のなかの「戦争体験」を掘りおこす
おわりに

参加希望者にはテキストのコピーをお送りします。

4 参加費   1,500円(会員無料)

 

連絡先
中井 浩一  鶏鳴学園
メールアドレス ko-nakai@js6.so-net.ne.jp

古宇田栄子
TEL・FAX 029-821-4997
メールアドレス koutaeiko@jcom.home.ne.jp

『「聞き書き」の力 -表現指導の理論と実践』

■『「聞き書き」の力 -表現指導の理論と実践』
中井浩一、古宇田栄子 (著, 編集)
出版社: 大修館書店 (2016/5/24)
¥ 2,700 (税込み)

この本は、高校作文教育研究会の共同研究の成果をまとめたものです。聞き書きの理論と実践を、総合的にまとめました。
これこそが、本当の「アクティブ・ラーニング」です。

研究会では、テーマとして二〇〇五年には一年間集中的に「総合学習」における表現指導について、二〇〇九年からの二年半ほどは「聞き書き」(調査と取材)の研究を行ってきました。その討議を踏まえて、聞き書き指導の方法やその課題を明らかにしようとしたのが本書です。

「聞き書き」そのものの方法論だけではなく、たくさんの問題提起を行っています。

高校段階での表現の指導過程の問題も検討しました。自分史や生活体験文、調べて書く作文や聞き書き、意見文や論文(小論文も)、志望理由書などをどう関連付けて、指導していくべきなのか、という問題です。

本書のタイトルには「聞き書き」とありますが、広く一般的に、調査・取材したことをまとめた文章と理解してください。理科や社会科のレポートまでを範囲として考えています。対象は主として高校生を意識していますが、中学生や大学生、社会人の方々にも十分に有効だと考えています。
どうぞ、国語科や他教科での同志の方々との学習会などにご利用ください。

今、教育現場は「アクティブ・ラーニング」の取り組みで大騒ぎになっているようです。しかし、「学力の三要素」や「アクティブ・ラーニング」という言葉に振り回されることなく、変わることのない教育の本質と、時代の変化の両面をしっかりと見極めることが肝心だと思います。
「アクティブ・ラーニング」に真剣に取り組むならば、何よりも重要なことは一人一人が自分自身の問題意識、問いやテーマをしっかりと創っていくことでしょう。そのためには、「聞き書き」学習ほど適したものはないのではないでしょうか。

 

■『脱マニュアル小論文―作文と論文をつなぐ指導法』
中井浩一の表現指導の本が、06年7月に大修館から出版されました。鶏鳴学園での表現指導の考え方と具体的指導法をまとめたものです。